わたしたちが保険料を払って、
それで私たちの親の世代が支えられていて、
私たちも将来、歳を取ったら、
その時の若者が保険料を
払ってくれて、年金が支給される、
支え合いの制度だと
思って、これまで払ってきました。
でも、途中で制度がかわってきてしまったり、
解釈がだんだん、違ってきたりすると、
こういうニュースを見て不安になりますね。
年金の仕組みを簡単におさらいしましょう!
年金というモノには、
全国民に支給される「基礎年金」と、
会社員など組織に所属して
働いている人を対象とする
「厚生年金」があります。
基礎年金は、働いているか
どうかにかかわらず、もらえます。
厚生年金は、現在働いている
あいだのお給料の額が上がれば
保険料もあがっていって、
年金の支給額が増えます。
厚生年金は、年金と賃金の
合計額が一定の額を超えると、
支給額を減らす・・・
という仕組みになってます。
支給される年齢が、
60~64歳と65歳以上では、
仕組みが違います。
65歳以上では、
月収と年金月額の合計が
47万円を超えると
年金が減ってしまいます。
厚生年金の支給額が
10万円の場合、
月収が37万円を超えると
減らされはじめて、
57万円を超えると
支給額はゼロに⁉
■年金の問題は20年後以降にやってくる!
政府がずっとかかげてきた
「人生100年時代構想」は、
今はまだ、何とか年金制度を
保てているけど、
第二次ベビーブームの私たちが
退職する20年後以降、
制度を支えられなくなることは、
見えていますよね?
だからその頃、
人口ピラミッドからして、
人口の多い高齢者に、
もっと長く働いて、
財政を支えてほしいと
いうことでしょう。
確かに、65歳を過ぎても働けて、
月収が57万円もあれば、
年金がなくても、
暮らしていけるだろうけど、
勤続してくださっている
高齢者の方の年金を減らすのは、
20歳から今まで払ってきたものは
何だったんだ⁉
という気持ちになるし、
「支え合い」と言われても、
自分には何のメリットも
ないものであれば、
払う気もなくなってしまいますね。
退職後、自営などで暮らせれば、
年金に非加入となり、
いくら収入があっても満額受け取れますから、
会社に長年貢献してきたまだまだ有能な高齢者の方々の、
働こうという意欲を、そいでしまいますよね。
もちろん、そういう考えに対して、厚生労働省は、
基準額を47万円から51万円などに引き上げる
という方針を考えましたが、与党の方から、
「金持ちを優遇している」という考えを言われて、
見送られてしまいました。
しかし実際、65歳以上で働いている方が約900万人
いらっしゃる中で、在職老齢年金で年金が減額されている方は
40万人くらい・・・全体の5%くらいですよね。
そう考えると、沢山お給料をもらえている高齢の方には、
少し我慢して頂いて、その分、若者が将来払う年金の保険料を
少しでも減らしてあげるように改善した方が、世代間の不公平を
できるだけ、広げないようにできると思いました。
年金は老後生活の保障=将来への積み立て!と信じて払ってきたのに・
・・・とはいえ、「年金は将来への積立貯蓄です!
政府がやってる積立貯蓄ですから絶対安心です」
そんなうたい文句で、年金が確立した1960年代は、
「夫はサラリーマンで定年まで40年働き、妻は専業主婦」
という家庭がほとんどの時代でしたね。
将来の為の貯蓄と強制的に払わせて(給料から天引き)、
もらえる頃は40年後、時代も様変わりして、
払っても戻ってこないっていうことになってしまうのは、
将来の保障が何もなくて不安だし、不安で働き続けたら、
支給額が減らされてしまうのは、本当につらいです。
そのうたい文句では勘違いしてもおかしくありませんが、
年金は貯蓄ではなく、現役世代が年金受給者を支える
「支え合い」の仕組みになっているんです。
だから、1960年代には想像もしなかった少子高齢化になると
若者の負担が大きすぎて、年金財政は破綻してしまうのです。
原則として、年金の支給開始は、今は65歳からになっています。
今は、もらう側の意思で、もらう時期を、60歳まで繰り上げたり、
70歳まで繰り下げたりできます。
もしろん、繰り上げたら、期間によって、どんどん減らされて、
繰り下げれば、逆に増えていきます。
70歳まで繰り下げれば、月額ベースで42%増えます。
頑張って払ってきた高齢者の方々に、それはないなぁと思います。
支給される年齢を、高齢化しているからと、繰り下げたり、
在職老齢年金の見直しまでして、人口の割合の多い高齢者層を
ターゲットにした政策は、限界があると思いました。
将来、約束通り生活は守られるのだと信じて払ってきた人たちに、
時代が変わったら制度も変わるんだというのは、可哀そうすぎますね。
せめて、払ってきた分、保障して、返してあげてほしいですね。
厚生年金をもらいながら、65歳を超えてまで再雇用で働く
高齢者の方々を増やすより、年金支給を60歳に戻して、
現役世代の若い人たちにもっと就職のチャンスが増えるように
就職難を改善していった方がいいと思うのです。
自分が40を超えて痛感しましたが、この歳以降に、
新しい職場へ再雇用とか、そういう体力も知力も、
もう若い時にはかなわないですよ。
どこかしら、もう40で身体に故障か所が出てきますから、
65歳以上になったら私、もうヨタヨタフラフラして働く?
しかも、前から遅い私が、もっと筋力や判断力がおとろえて、
仕事が立て込んだり混んできたりしたらもう、パニックで、
周りに迷惑かけてしまうこと間違いなしです。
それで、若い人たちよりお給料を多くもらったら申し訳ないです。
だから、必死に職にしがみつかないで、安心して年金生活できる
年金制度にして、どんどん若い力を活用して、
日本を支えていってもらえたらいいなぁと思います。
そしてもし、若者の年金保険料の負担が多すぎるようになったら、
働ける私たち高齢者が、自主希望制で、支払うっていうのは
どうでしょう?
減らされるのではなく、我が子を助ける気持ちで、
支給してもらっているけど、収入の中から、自主的に支払う!
これなら、前向きに働く意欲も保ちながら、年金額への貢献を
しようっていう気持ちになりませんか?
まとめ
年金は、自分の将来への保障ではありません。
現役世代が高齢世代をささえる
「支え合い」の制度なんです。
だったら、長年支払ってくださった高齢者の支給額を、
収入差で減らさないで、
60になったらいさぎよく
リタイヤできるように、
ちゃんと支給してあげて、
もし、若者世代の保険料の
負担が多すぎる時代になったら、
働ける高齢者の中から、
自主的に保険料を支払う・・・
という「逆の支え合い」をしたら、
人への思いやり精神、
人と人とのお互い様の、
日本の昔ながらのこころを、
若者に受け継いで行ける、
本来の目的の果たせる
年金制度になるんじゃ
ないでしょうか。