今回は小児まひの子が
直談判して、
高校の先生が受け入れてくれた!
というお話しです。
私は子どもの頃、
学校が嫌でした。
勉強が嫌いでした。
そんな私は、
この記事を読んで、
本当に恥ずかしく、
申し訳なく
思い、と同時に、
この記事を
いろんな方々の
目にとまるようにしたい!
と切実に思いました。
脳性まひで食事も一人では… インクルーシブ教育を知り周りが動き願い叶う!
主人公の
中山くんが住む、
福岡県筑後市の
小中学校には、
インクルーシブ教育に
理解の深い教員たちが
いてくれました。
私も小学校から10年、
福岡県に住んでいましたが、
私の小学校にも、
養護教室という
障害のある児童の
特別教室がありました。
中山君の小学校にも、
地域ぐるみの支援に
かかわってきた
同県立筑後特別
支援学校教員の
秋山先生が、
校長先生達たちと、
地域がともに、
人権教育に
盛んに取り組む
地域でした。
特別支援学校は、
中山君がとても嫌がり、
地元の学校へという
お母さんの意向もあって、
2007年から中山君が
入学したのが市立古川小。
肢体が不自由な子ども向けの
支援学級ができて、
先生は、読み書きや機能訓練、
介助まで工夫し合って
日替わりで対応しました。
ちょうど、
学校へのエレベーターの
整備計画が始まり、
古川小への設置が
決まりました。
どんな人の輪にも、
体当たりで飛び込む
中山君は、
中学校も普通学校へ通い、
自然と普通高校への進学を
志すようになったのです。
しかし義務教育ではないので、
高校進学は、これまでのように
スムーズではありませんでした。
2015年中学3年生の時、
高校見学で、エレベータのある
私立も考えましたが、
「介助に携わる支援員を雇えない」
と言われてしまいました。
それで、八女市にある
過去に軽度の脳性まひの
生徒が卒業していた
県立福島高を志望校に
絞ったのです。
秋山先生から
「気持ちをしっかり
伝えることが大事!」
と、背中を押されて
夏の公立高校の説明会で、
福島高のブースに
パソコンで1文字ずつ
打った手紙を持参し、
その場で読み上げました。
その気持ちに心を打たれた
福島高は、筑後中と
協議を重ねた結果、
中学の先生の代筆受験を
認めてくれたのです‼
そして中山さんは
みごと合格!
2019年春に
めでたくご卒業されて、
熊本学園大学に
進学しています!
本人の意思がまず、
1番大事ですが、
それを支援する環境が、
まわりに整っていてこそ、
理解のある先生や大人が
そばで支援してくれてこそ、
上手く意思を伝えられない
子どもなら特に、
必要だなぁと
痛感しました。
秋山先生がいらしたから、
中山君のまわりで、
援助の輪が広がったように、
私には読み取れました。
インクルーシブ教育とは?文部科学省では、どうとらえているの?
障害がある人とない人が
「ともに学ぶ」
インクルーシブ教育‼
中山君がちょうど
中学生だった2014年に、
国連の「障害者権利条約」に
批准して以降、日本でも
推進が求められいます。
文部科学省は、
共生社会の形成に向けて、
障害者の権利に関する
条約に基づく
インクルーシブ教育の
理念が重要であり、
その構築のため、
特別支援教育を
着実に進めていく
必要があると考える
・・・といっています。
「共生社会」とは、
誰もが相互に人格と
個性を尊重し支え合い、
人々の多様な在り方を
相互に認め合える
全員参加型の社会である
ともいっています。
我が国において、
最も積極的に取り組むべき
重要な課題である
といっているのに、
なかなかこの、
「インクルーシブ教育」は、
私たちの生活に、
浸透していないように
感じます。
このところの、
学習障害(LD)や
注意欠陥多動性障害
(ADHD)、
高機能自閉症等の
障害をもつこどもたちへ
の対応へ、積極的に
力を入れているのは、
学校の様子でわかりますが、
インクルーシブ教育は、
私も今回、初めて知りました。
障害のある子が
一般的な教育制度から
排除されないこと!
自分が生活している
地域で初等中等教育の
機会が与えられること!
個々人に必要な
合理的配慮が提供されること!
という、当たり前なこと
なんですね?
そういう特別支援は既に、
我が子の小学校でも
行われています。
特別支援教育
というのがあって、
個々の教育的ニーズに
合わせる必要のある
児童・生徒に、
その時点での教育的ニーズに
最も的確に応える指導を
してくれています。
通常の学級に在籍する
児童・生徒が利用する
通級指導学級
(難聴・言語障害)や
特別支援教室
(情緒障害等)もあって、
様々な子どもの発達に
そくした特別な支援の
教育体制が整えられて
いるように思います。
その一方、
中山くんが通った小学校に
できた、肢体が不自由な
子ども向けの支援学級は、
板橋区にある
国立筑波大学付属
桐ヶ丘特別支援学校
大田区にある
都立城南特別支援学校
しかありません。
都内の普通学校には、
肢体不自由のこどもの
教室はありませんでした。
肢体不自由とは、
肢体(四肢と体幹)の
運動機能の障害。
その障害が治療・訓練で
改善されても永続的に残り、
日常生活に不自由をきたす状態。
原因としては、
脳の疾患(脳性まひ等)
せきずいの疾患
神経の疾患(小児まひ等)
があります。
「特別」がつく学校・・・
普通学校へは行けない、
未だにそんな状況の中、
中山くん、そして秋山先生たち、
ご両親が、本当に頑張った‼
と、ひしひしと感じます。
障害者差別解消法施行‼本人の意思表示で公立学校は合理的な配慮が義務付けられる‼
国連の
「障害者の権利に
関する条約」の
締結に向けて、
日本でも法や制度の整備
をすることになり、
全ての国民が、
障害の有無によって
分け隔てられることなく、
相互に人格と個性を
尊重し合いながら
共生する社会の実現
に向け、障害を理由とする
差別の解消を推進すること
を目的として、
障害者差別解消法が
2016年4月1日から
施行されました。
正式名称は
「障害を理由とする
差別の解消の
推進に関する法律」
具体的には、
「不当な差別的
取扱いの禁止」
国・都道府県・
市町村などの役所や、
会社やお店などの事業者が、
障害のある人に対して、
正当な理由なく、
障害を理由として
差別することを禁止します。
例えば・・・
受付の対応を拒否して、
本人を無視して
介助者や支援者、
付き添いの人にだけ
話をすること。
学校の受験や、
入学を拒否すること。
障害者向け物件はない
と言って受け付けないこと。
保護者や介助者が
一緒にいないと
お店に入れてくれないこと。
いや~、ちょっとこれは、
全国民が、正しい対応を
学ばなければいけませんね‼
お店では、普通に、
お断りしちゃってますよね?
「合理的配慮の提供」とは?
国・都道府県・
市町村などの役所や、
会社やお店などの
事業者に対して、
障害のある人から、
社会の中にある
バリアを取り除くために
何らかの対応を必要と
しているとの意思が
伝えられたとき、
負担が重すぎない
範囲で対応すること。
ただし、事業者に対しては、
対応に努めること。
例えば・・・
障害のある人の
障害特性に応じて、
座席を決める。
そういう配慮を
目の当たりにしました。
子どもと劇を観に
行った時、車いすの方の
お席が特別にしつらえて
ありました。
いいことだなぁって
思いながら見ていました。
障害のある人から、
「自分で書き込むのが
難しいので
代わりに書いてほしい」
と伝えられたとき、
もし代わりに書くことに
問題がない書類なら、
その人の意思を十分に
確認しながら代筆する。
これはよく見かけます。
銀行に「手話のできる
スタッフがいます」と
案内があったり、
図書館に、
「筆談の用意があります」
と書かれていたりしますね。
あと、段差がある場合に、
スロープなどを使って
補助する。
これもよく見かけます。
お店の入り口や
公共施設で・・・。
この頃は私も、
助かっています。
しかし浸透はかなり
難しそうですし、
決まった基本的なモノが
無いと対応がバラバラに
なってしまいますよね?
そこで!
事業を所管する国の役所は、
会社やお店などの事業者が
適切に対応できるように
不当な差別的取扱いや
合理的配慮の
具体例を盛り込んだ
「対応指針」を、
障害のある人などから
意見を聴きながら
作ることとされています。
東大和市では、既に、
市職員が適切に対応するために、
何が差別に当たるのか、
合理的配慮として
望ましい対応など
について基本的な考え方や
具体的な事例を記載した
対応要領として、
「東大和市障害を理由とする
差別の解消のための
職員の対応に関する要綱」と
「東大和市障害者差別
解消法職員対応マニュアル」
が作成されています。
都道府県や市町村では、
障害者差別を解消するための
取組を行うネットワークとして、
地域の様々な関係機関などによる
「障害者差別解消支援地域協議会」
をつくることができます。
障害者差別を解消するために、
関係者が話し合う場をつくり、
互いに「顔が見える」関係が
できれば、理解しやすくなります。
まとめ
障害のある人もない人も
共に暮らせる地域づくりの
一歩として、この
地域協議会をつくること
が大事になってきますね。
こういうコミュニティが
福岡県筑後市では、
もう出来上がっていたから、
中山くんが意思表示した時、
現実的に希望が動き始め、
思いが叶ったのですから。