子どもが産まれたことを
きっかけに始めた、ぬか床生活…
かれこれ、10年以上になります。
そんなに続いた秘訣というのが、
ずぼらだったということ。
始めこそ、本に書いてある通りに
毎日朝晩、かき混ぜていましたが、
だんだん、たまにしか
かき混ぜなくなって、
ダメにしては、作り直して…
やっぱり、常温で保管して、
かき混ぜるのをなまけていたら、
腐ったようなにおいが
してきまして…
しばらくお休みしてから、
そろそろ始めてみようかな?
という感じで、続けてきました。
でも、その間には、
(まだ捨てるほどじゃないな)
という状態の臭いの時もあって、
復活を遂げたこともあったんです。
その時の臭いの違いや、
腐っているかの見分け方で
困っているあなた、
ぜひ、ご覧ください。
ぬか床が腐敗臭したらどうしたらいいの?!
ぬか床って、もともと、
臭いがするものなんです。
でも、あまりにキツイ臭いに
なってくると、
臭くて困りますよね?
そんな時の対処法を、
お教えしましょう♪
≪対処法1≫
よくかき混ぜること
冬は1日に1回、
夏の常温保存は1日3回
底のぬか床が表面へ来るように、
ひっくり返すように
よくかき混ぜてみてください。
それだけで、結構
臭いが軽くなっていく
ということがありますよ。
≪対処法2≫
塩を足す
塩を増やして、
活発になりすぎた発酵を
抑えてみましょう。
小さじ一杯くらいずつ、
始めてみて、
味見しながら、
臭いがおさまるか、
様子をみましょう。
≪対処法3≫
ぬかを足す
ぬか床が水浸しだと、
乳酸菌が酸欠状態に
なってしまって、
腐敗菌が増えやすい
環境なので、
ぬかを足して、
味噌くらいの硬さに
なるように調整しましょう。
その時に、塩分もいっしょに
追加するといいですね。
そして、すべてにおいて
言えることは、
その都度、よくかき混ぜること!
あと、もう1つのポイントは、
ぬか床の適温20~25℃!
夏は、この温度から
ずいぶん上がりますから、
1番管理に気を配らないと
ダメにしてしまう季節です。
臭いはぬか床からの
メッセージです。
しっかり受け取って、
応えてあげましょうね。
≪対処法4≫
思い切って、
休ませることも
おススメです。
進みすぎた発酵を、
漬けるのを休むことで、
落ち着かせられます。
やり方は、簡単♪
冷凍するだけです。
再び、始めるときも、
自然解凍でOKなので、
手軽ですよ。
*臭い緩和お助けマン*
・お茶の葉は匂いの緩和
・卵の殻は酸化を抑える
=ツンとした匂いの緩和
・鷹の爪
・和がらし
私は、納豆についてきた
からしを入れます
・キパワーソルト
1300年以上、韓国で、
その精製方が伝授されてきた「塩」
黄海の海水の塩田に含まれる、
貴重な養分を活かして、
その養分が結晶になるまで、
様々な工程を経て、
いまだに手間暇を惜しまない
製法で作られています。
海のミネラルバランスを、
そのまま残しているので、
ほんのりと硫黄の臭いがします。
この塩を加えると、
強いぬか床の臭いが、
抑えられます。
実は、
まな板や生ごみの消臭にも、
最適なんです。
ぬか床の腐敗臭ってどんな臭い?
腐敗臭といっても、
ぬか床からは、
いろ~んな臭いがしてきます。
一概に、
臭い=腐った…
と判断はできないんですよね。
*ヨーグルトのような
酸っぱい臭い
この臭いなら、
ぬか床が正常に発酵して、
働いている証拠です。
*アルコール臭*
日本酒みたいな臭いは、
かき混ぜ不足や塩分不足です。
しっかり混ぜてあげましょう。
*シンナー臭*
ぬか床の表面に住む、
産膜酵母が増えると
出る臭いですね。
これは酸素が好きなので、
やっぱり、
よくかき混ぜることで、
臭いがおさまりますよ。
*靴下臭・アンモニア臭*
靴下のような、
うっ…と息も詰まる臭いは、
酪酸菌が増えすぎたせいです。
酪酸菌も乳酸菌と同じく、
酸素が無いところで増えるので、
これもやっぱり、
かき混ぜ不足ですね。
そこまで行く前に、
しっかりかき混ぜることを
続けていくごとに、
臭いがおさまっていけば
大丈夫です。
でも、
それでもおさまっていかなければ、
腐敗が進んでしまっている
可能性があります。
アンモニアはアルカリ性なので、
ぬか床を、雑菌の繁殖しやすい環境
にしてしまうことがあります。
あまりに強烈な腐敗臭がする時は、
ぬか床の菌が死滅している
という可能性があります。
タンパク質やアミノ酸が分解されて、
硫化水素やアンモニアのような
腐敗臭を発する状態が「腐敗」
と言われていますが、
タンパク質やアミノ酸だけでなく、
野菜や果物でも腐敗は起きます。
それに比べて「発酵」も、
食品の成分が、微生物の働きで、
分解されていく状態です。
腐った臭いなのか否か…
とても微妙なところなんです。
ぬか床が腐敗臭するときのぬか漬けの味ってどんな味?
ぬか床は、
ぬかが悪くなれば、
もちろん、ぬか漬けも
味が変わってしまいます。
ある時から、
ぬか漬けの臭いとは違う
腐敗臭みたいな臭いがし始めて、
塩や、ぬか、
唐辛子、からしなど、
いろいろ入れては、
混ぜ続けていましたが、
その間にも、
野菜を漬けて味見も
していました。
私は、すごく漬かった
酸っぱいくらいの味が
好きなんですが、
ひどい臭いの時のぬか漬けは、
味も薄くて水っぽくて、
酸味もちょっと違った酸味で、
しぶい感じが舌に残ります。
その微妙な加減が、
難しいのですが、
私の祖母のぬか床倉は、
1年じゅう、腐敗臭がして、
もう、木造の建物に
染みついています。
「臭いなぁ」って、
子どものころは、
敬遠したものですが、
その祖母のたくあんは、
大好物でした。
臭いだけでの判断は、
とても難しいので、
見た目と味でも確かめながら、
臭ってきたらよく混ぜる!
と覚えておきたいですね。
おいしいぬか漬けの時の
ぬか床の臭いは、
ホッとする温かい
おばあちゃんの香りがします…
ぬか床もふかふかで、
ところどころ、穴が開いていて、
息をしているのがわかるんです。
そこから出る、ぬか床の臭いが、
何とも言えない良い臭さ…
なんですよね。
そう…かぎたくなる臭いか、
鼻をつまみたくなる臭いか?
という感じですね、私は。
ぬか床腐敗臭 なぜこんな臭いがするの?原因とは?
臭いの「原因」は、
ズバリ、「菌」ですね。
よく考えれば、
当たり前ですけど…
素朴な疑問ですよね?
日本酒やボンドのような
シンナー臭いがしてきたら、
それは産膜酵母が、
活発になって増えた
せいですね。
ぬか床の表面に、
白い膜ができていたら、
まさしくそれです。
かき混ぜが足りないと、
酸素の好きな産膜酵母が、
ぬか床の表面で増えて、
臭いがきつくなります。
産膜酵母じたいは、
悪いモノではないのですが、
増えすぎると、ぬか床内が
酸欠になって、
酸素嫌いのさすがの
乳酸菌も、苦しくなって、
活動できなくなって
しまうんです。
夏は特に、
気温が高いせいで、
発酵が進みすぎて、
アンモニア臭までしてくる
ことがあります。
また、水分が、
多くなりすぎたせいで、
塩分が薄くなってくると、
発酵が進みすぎてしまって、
臭いが強くなることも
ありますよ。
塩分が薄くなると、
塩の殺菌効果が薄れて、
乳酸菌以外の菌が増えて、
臭いがきつくなる原因にも
なります。
また、靴下のような臭いは、
酪酸菌が増えすぎると
してきますね。
この菌も、本来は
悪者ではなくて、
腸に届いた食物繊維を、
発酵・分解して
「酪酸」にする
良い菌なんです。
「くさい」がそのまま、
おいしくないサインや、
腐った証拠では、
ないんですよね。
「納豆」や「鮒ずし」
のように、
臭くてもおいしいモノも
あるのが現状で、
どこからが腐敗か?
ということは、
人の味覚によるところが
大きいこともありますね。
同じ乳酸菌でも、
ヨーグルトやぬか漬けが
作られる場合は
「発酵」と呼ばれますが、
これが包装ハムだと、
表面のねばねばや
膨張の原因になるので、
この場合には「腐敗菌」
として扱われます。
ぬか床の腐敗臭と発酵臭は紙一重
腐敗と発酵の見分けは、
食べ物や細菌の種類、
生成物の違いではなくて、
人の価値観や感覚に
由来するところが、
大きいと感じました。
細菌の働きで、
人間にとって有用な場合=発酵
人間にとって有害な場合=腐敗
と呼んでいるだけなんですね。
なので、腐敗臭も、
即「腐敗」ではなく、
「発酵」のし過ぎというサイン
と、とらえてみると、
ぬか床を何年でも、
続けていけるコツが、
つかめていくと思いますよ。
菌の力を借りて、
おいしいモノを作る、
昔ながらの技と文化と、
文明の発達で得られた、
殺菌の技術との
共生のようなところですね。